絵を描くことを、描画材がモデルや作者のイメージに「成り代わって」支持体に定着することとして捉えると、
描画材それ自体と描かれるモデル・イメージの関係は薄い。
この作品では描画材それ自体が文字通り「絵になっていく」状態を目指し、以下のプロセスを踏んだ。
1. 白いチョークを彫刻し、人型の像を作る
2. 1をモデルとして観察する
3. 1を描画材として黒い支持体に描く
モデルがすり減りながら図像として定着し、デッサン的な完成に至ったら紙を変えてまた描くことを繰り返し、
時系列順に空間に展示した。
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