まさかさかさま
2020, インスタレーション / 塩ビ板にインクジェットプリント、調光ライト、短焦点プロジェクタ、ジョーゼット、回転台
関係の強弱や立場の優劣が簡単に転覆してしまうことを、「方向」をモチーフに図像を用いて提示する。
映像の中の人物は、背面に前面がプリントされた衣装を着て、「後ろ」歩きや一輪車の「バック」走行など前後逆さまに行動する。
映像と対峙した鑑賞者は、映像のなかの身体のどこに依拠するかによって、
それらの人物の背後を取っているとも、正対しているとも言える。
また、自分で視点を選び取らずとも、イメージが錯覚として鑑賞者の身体に作用し、
鑑賞のあいだに知覚の揺らぎを体験させる装置となる。